私の記憶(医学部合格まで)
40年近くも前は理系・文系にクラスが分かれたり希望校のアンケートとったりも高校3年からだったと記憶しています。私は多分初めて医学部希望を表明しました。家族や母の勧めがあったからではなくやはり自分が医学を学びたいと思ったのだと思います。なぜか他はやる気がしない。その頃でも「えー、女子が?」と言う雰囲気はありませんでした。しかし学力は明らかに不足していました。模試を受ければ偏差値とか総合判定とか出ますが、散々でした。でもなぜか私は「このようなものでは私の真の実力は測れないわ」と思い、諦めるつもりはありませんでした。仕方ないとマイペースで勉強していました。吹奏楽部の活動も夏休みまで結局続けました。集中力に欠ける時もかなりありましたね。
その後は1日1日と月日がたちその頃は塾とかも行かずに自分なりの勉強でちょっとずつ成績も上がり、当時の共通一次も無事終わりました。そういえば共通一次に向かう途中のバスの中の様子、試験中に時間を間違えて数学が終わらないと焦ったことなど今も覚えています。
さていよいよ大学の願書を出すときが来ました。学力的にはやはり厳しくて、迷いました。そのとき導かれるように、家にあった手塚治虫のブラックジャックを全巻読み直しました。そして「やはり医学部を受けよう」と決心しました。無免許医(漫画ですから)の天才外科医ブラックジャックは患者さんに数千万円とか時には億単位の法外な治療費を請求します。しかし 真に患者思い、弱いもの目線、苦悩し、考え、悪を許さず、患者さんの境遇によっては突然1000円におまけするなんてこともしばしばあります。「ソウイウモノニワタシモナリタイ」と思いました。医師は患者さんのために仕事をするというのが大原則ですから。普通の会社員になるとどうしても売り上げのための仕事になってしまうだろう、それは絶対いやだなと思いました。
それからはすごい集中力で勉強しました。ともに勉強していた仲間にも大いに助けられ、無事合格できました。あのような集中力は私の人生であのときだけかなあと今でも思います。
自分の力を信じ目標に向けて邁進するときにはものすごい力が出ます。だれにでもそういう力はあるのだと思います。