いろいろなご夫婦

診察室では社会の縮図が現れます。いろいろな夫婦の関係も見えます。

よく我慢しているなあ、不思議な関係だなあ、うらやましいような仲の良さだなあと思うこともあります。

ご主人の受診にいつも付き添ってくる奥さん。(ご主人、奥さんという言い方には抵抗感があるのですが便宜上)いかにも怒っていて「この人全然言うことを聞かずに食べてばっかりなんです。先生怒って下さい」と毎回強い口調で言う。ご本人は罰が悪そうにしているし私もこの奥さんが怖い。

別のある高齢の男性。いつも「ほとんどお酒は飲んでません」と言うけれど、ある日奥さんが一緒にきて「普段は私が一緒に行こうとすると怒るので来ないんですが、今日は我慢できずにきました。もう、毎日飲み出したら止まらないんで困ってます」とのこと。

妻に頼りきりで何を説明しても「妻に言って下さい」な人

中高齢の女性に「何かストレスで思い当たることがありますか?」と聞くとかなり多くの人から「夫です」という答えが返ってきます。

夫の介護をしても感謝されるどころか何かにつけ怒鳴られ「もういやです」という女性

病気の妻を献身的に介護し家事もすべてやっていても楽しそうな男性

妻あるいは夫の病状の説明したときにものすごく心配して熱心な人あるいはあきれるほど無関心な人。

スタッフから『かわいいおじいさん』として人気のある、認知症のある高齢男性。いつも、来院するとスタッフ一人一人に丁寧に頭を下げてにこやかに挨拶をします。奥さんも穏やかな人。ある日外でとても仲の良さそうな高齢夫婦が歩いているなあいい感じだなあ。と思っていたらそのご夫婦でした。

夫婦の関係は長い年月で培われ、正解はないのだとおもいます。

でもみんな心地よいパートナー関係、我慢しない家庭生活でいたいはず。

いまは高齢女性がパートナーである夫に我慢しているパターンが多いのですが、時代も変わりました。普段使用されるご主人、奥さんという呼び方も、夫=主、妻=従であり養ってもらう人という感覚があり前時代的で違和感があります。

これからはパートナーとのあり方は主従関係などないフラットでお互い心地よい関係へ変わっていけばいいなと思います。

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