脳出血から復帰した男性
今日来院の患者さんの一人はとても衝撃的な合併症が起った方。
40代男性、超有名企業に勤めていますが、元々お酒好き、肥満があり、33歳で心不全や高血圧になり、糖尿病にもなり通院していました。薬を何種類も飲んで、注射治療もしていましたが、血糖コントロールは良くありませんでした。
注射は真面目に打っていなかったと思われます。いつも余っていると言われてました。自分で血糖測定をすることになっていましたがそれも真面目にはしません。
注意してもへらへらしてわかってますとは言うけど、生活を変える気は全くない様子。飲酒はかなりの量をほぼ毎日、ジャンクフードも大好き。血圧は薬で何とかコントロールされてましたが、血糖値は食事が多すぎ、毎日の飲酒、打っているはずの注射も打たないとなるとどうにもなりません。一応元気なので、一旦入院して治療なども受け入れられません。
そのようなことが数年続いたある日から受診していませんでした。
それからしばらく来院も連絡もなく8ヶ月ほど経ったある日
車椅子に乗った彼が突然受診されました。
脳内出血で意識障害を起こし、開頭手術で血腫除去をして命は取り留めました。
それから左半身麻痺と高次脳機能障害が残りリハビリのためかなり長期間入院していました。
入院していた病院からはご丁寧な診療情報提供書をいただいています。
15キロほど痩せ、筋肉も落ちていました。
糖尿病は飲み薬のみでコントロール良好!
車椅子は自分で操縦できる
まだリハビリ継続中です。
今回は退院後3回目の受診でしたが少し元気になり、若いので車椅子の操縦も素早く、歩く練習もしているそうです。付き添いの奥さんの表情も明るくなっていました。
ちょっとほっとしていますが
このような大きな合併症を起こさないよう自分で生活習慣を変えて何とかならなかったのかな。もしかしてこちらからの働きかけで変われるチャンスもあったのかな。と過去を振り返り悔しく感じます。一方でこうならないことには彼は変われなかったのだなと納得する思いもあります。
血管疾患とか、がんとか、感染症などで命に関わる事態になって救命されて戻ってくる患者さんは結構います。現代医療のありがたさ!
引き続き私にできる限りの診療をするのみです。